ブックタイトル第29回 国民文化祭・あきた2014「公式ガイドブック」

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概要

第29回 国民文化祭・あきた2014「公式ガイドブック」

元爆 そうか、藤本さんが今やっているのんびりのコンセプトもそうだけど、秋田の人が「こんなの自慢することじゃない」と思っていることでも、他県の人にしてみればすごく新鮮で、驚きで、それまでの価値観を覆す発見になるかもしれない。まして秋田はこれまで外向けに"お国自慢"をしてこなかったから、県外の人にしてみれば、何があるか知っている場所に訪れるときより、数倍大きな感動体験ができる可能性がある。感動が大きければ大きいほど、人って周りに教えたくなりますもんね。藤本 どこか懐かしさを感じさせるかわいいビジュアルが特徴的な、象潟出身の木版画家、池田修三さん。地域に埋もれていた氏の作品を以前のんびりで取り上げたのですが、マガジンが発行されるやいなや、ものすごいスピードでファンが広がっていったという事例もあります。今年象潟で開催された展覧会には、県内外から 8日間で4,000名以上が訪れてくれたほか、作品集の出版を記念した展覧会も全国各地で開催されています。この話を稀な成功例と言う人もいますが、僕は決してそうは思いません。元爆 秋田の人たちにとっては普通のことでも、他の地域に暮らす人々にとってはスペシャルなことってまだまだたくさんあるということですね。池田修三さんの版画のようなコンテンツが新たに掘り起こされて、シェアされて、交流人口が増えて、外から来た人も地元の人も皆元気になっていくような国民文化祭になるといいなぁ。藤本 盛り上がってほしいですよね。元爆 閉幕したらハイおしまい、ではなく、これをきっかけに足しげく秋田に通ったり、日頃から秋田を気にする人が増えてくれたら最高ですね。僕も頑張りますけど、県民のみなさんも一丸となって、秋田県民のDNAに刻まれている“おもてなし心”を発揮してほしいと思います。藤本 地方回帰というか、人々の幸せの尺度が変わり、物質的な豊かさよりも、精神的な豊かさを求める方向へ時代がシフトしていることも追い風になるような気がします。すべてがうまくかみ合えば、記憶に残る国文祭になるのではないでしょうか。元爆 旅の楽しみのひとつ、食についてはどうですか?藤本 都会だと、「旬にこだわっています」、「素材にこだわっています」、「こだわりの地酒を取りそろえています」というようなことを、いちいち大げさにアピールする食べ物屋さんが多い気がするんですが、僕が秋田の友人に連れて行ってもらったお店は、どこも新鮮な地場産品を使ったおいしい料理や、絶品の純米酒が普通に出てきて驚きました。僕が感激していると、友人とお店の人は「こんなの全然特別じゃない」と。元爆 店の主人がその日の朝に採ってきた山菜がサービスで出てきたり。藤本 そうそう! なんて豊かな国なんだ、ここは!って思いました。元爆 秋田の冬はどうですか?藤本 秋田の人は「大変だから冬は来なくていい」みたいなことを言うんですが、ある意味、秋田は冬こそ面白いと思いました。元爆 寒いし、雪も多いですよ。藤本 みなさん、そうおっしゃいますよね。でも我々にしてみたら、雪景色からして貴重なわけです。関西なんて、冬でもタイヤを履き替えない地域が多いですから。そんな中で、厳しい自然と向き合ってきた土地ならではの儀式や祭事が、時に激しく、時に厳かに行われる。元爆 テンション上がりましたか?藤本 もう上がりっぱなしでした! どれも一見の価値はありますが、刈和野の大綱引きの熱気は特にすごかったなぁ~元爆 国民文化祭では、普通は現地に行かなければ見られない小正月行事も披露されますからね。もちろん刈和野の大綱引きも。そこで興味をもったら、ぜひ冬の本番へ! とアピールしていくべきなんですね。藤本 絶対そうしていくべきだと思います。元爆 この祭典がきっかけとなって、少子高齢化、人口減少といった暗いニュースなんか吹き飛ばしてしまうような、豊かな交流だとか、伝統の継承や新しい文化創造の動きが活発になっていくことに期待したいですね。本日はありがとうございました。藤本 こちらこそ、ありがとうございました。対談会場「旧料亭金勇」雄大で優雅な造りが目をひく、秋田杉の良材をふんだんに使用した「木都 能代」を代表する歴史的建造物。長年、宴会や茶会、冠婚葬祭に利用され、県内屈指の料亭として親しまれてきた。【住所】能代市柳町13-8【電話】0185-55-3355【開館時間】9:30 ~ 16:30【休館日】毎週月曜(休館日が祝日の場合は翌日)・年末年始(12 月29 日~ 1 月3 日)外から来た人も地元の人も、皆が元気になっていくような国民文化祭になってほしい。(元祖爆笑王)05