ブックタイトル第29回 国民文化祭・あきた2014プレガイド 2013年10月発行
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第29回 国民文化祭・あきた2014プレガイド 2013年10月発行
知る人ぞ知る文化の宝庫、川反で見つけた光。[旅人]= 大木彩乃(シンガーソングライター) 東京生まれの私が秋田で暮らすようになって、もうすぐ8 年。移住してきた当初は『あれもしたい、これもしたい』がたくさんあったのに、振り返ってみると地域の暮らしに馴染むことと子育てに追われ、一番楽しみにしていた文化巡りがほとんどできていなかった。ああ、なんてもったいない! そんな私の気持ちを察してか、家族がくれたフリーな時間。私は知る人ぞ知る文化の宝庫、秋田・川反を探訪してみることにした。聞くところによるとこのエリアは、藩政時代には「川端」と書いたそうで、当時の住人は大部分が武士だったのだとか。川反が繁華街へと変わり始めたのは明治20 年ごろ。当時は芸者を抱える置き屋や料亭が続々開店し、美しい芸妓さんや舞妓さんたちが通りを行き交ったそうだ。今でこそ着物を着た秋田美人とすれ違うことは少なくなってしまったけれど、町のあちこちに華やかだった時代の面影が宿っているように感じた。 たとえば私が最初に訪れた赤れんが郷土館は、ルネサンス様式を基調とした外観、バロック様式を取り入れた内装、総ケヤキの応接室、白大理石の階段が目をひく豪華絢爛で重厚な雰囲気に満ちた建物。まるで時間が止まったかのような空間は、人それぞれに異なる情感を抱かせるに違いない。建築、アンティーク、歴史好きの方なら一度見ておいて損はないと思う。 もちろんこのほかにも、川反には見るべきポイントがたくさんある。メインストリートを外れて小路を歩けば、まるで地層のよ川反かわばた秋田市赤れんが郷土館/あかれんがきょうどかん明治末期に建築された旧秋田銀行本店本館。建物に関する資料や秋田市の伝統工芸品などを展示しているほか、秋田市出身で人間国宝の鍛金家・関谷四郎の記念室も併設。営業室だった吹き抜けのホールでは、毎年秋にコンサートも開催される。新政酒造/あらまさしゅぞう秋田市川反地区にある嘉永5 年(1852)創業の老舗。日本醸造協会で頒布しているきょうかい酵母の中で最も歴史の古い6 号酵母は、この蔵で昭和5 年に生み出されている。08